Translator's BLOG

とうとう今週は12月。慌ててブログを書いています。

今年は映像翻訳者の会 Wakkaを立ち上げたこともあり、初めましての方と話す機会が多くありました。

そこで、たまに耳にしたのが「岩辺さんにも、そんな時期があったんですね」「いずさんでも緊張するんですね」というような言葉。

そのたびに「そりゃそうでしょ!」とウケていたのですが、どうやら私は「順調にキャリアを積んできて、あまり動じない人」と見られているのだと気づきました。

確かに昔から慌てる時も静かというか、焦っていても、そう見られないのは感じていました。

だけど、私だって仕事のない時期はあったし、今もあるし、初めてのクライアントの仕事はドキドキするし、教えるのも人前に出るのも直前まで緊張します。

ただ、なんだかんだで映像翻訳を20年もやっているので、ある程度の経験の積み重ねがある、というだけ。とはいえ、この経験の積み重ねが、結構な強みになっています。

経験とは、「知っている」ということ。

・仕事が途絶えても、また来る。

・何にでも初めてがあり、やれば経験値が上がる。

・初めての挑戦は誰でも緊張する。

・やって合わなければ、次やらなければいい。

・どんなに大変な仕事も、やれば終わる。

・身動きが取れなくなったら、助けを出せばいい。

・失敗しても、努力し続ければ挽回のチャンスはある。

・誰にでも浮き沈みがあるし、タイミングは人それぞれ。

・意外と人は見ている。

・味方を増やすほど仕事は楽しくなる。

これがパッと思いついた、20年の経験から知ったことです。Wakkaも会員同士がお互いの味方になればいいなと思って作りました。

たかが20年ですが、されど20年。仕事を続けるには長い目で見ることが大事だし、経験は何よりの宝です。

だから、人と比べてうまくいかないと感じても、自分のタイミングが来るまで準備をしておく。そしてチャンスが来た時につかむ! これが長く続けるコツです。

…と言いつつ、あまり動じないように見られると助けてもらえないので、これからはもっとアワアワするようにします。困ったら、早めにヘルプ!

人とかかわることで、自分の強みと弱みを知るのも面白いなと感じています。

月一ブログです。今日は天赦日で何をするにもいいらしいので、乗っかって書いてます。

4月に「映像翻訳者の会 Wakka」を立ち上げたこともあり、今年はアウトプット過多気味。そうすると、ブログ=アウトプットのモチベーションが下がると気づいたので、来年はアウトプットとインプットのバランスをもう少し取りたいと考えているところ。何でもやってみないと分からないですね。


海の近くのシェアハウスとの二拠点生活も1年半になりますが、最初は空いている日に2~3日ちょこちょこと行っていました。仕事が詰まってきたり、都内の予定が入ると行くのをやめたり。それでも、そこに拠点があるだけで安心感があるし、行くとガラッと気分が変わるのですが、もう少し落ち着いて過ごしたいと思っていました。

そこで、先月から月の1週間をまるっと過ごすようにしました。この週に行けそう、と思ったら、都内の予定は入れない。逆にシェアハウス近辺で積極的に予定を入れる。これがなかなか良い感じ。

1週間いると決めると仕事も腰を据えてやる気になるし(前は自宅の仕事環境と比べて、やらない言い訳にしていた)、食材を買って(少しは)料理もするし、シェアメイトと話す機会も増えるし、何より住んでる感が出る!

というわけで、1年半目にして、ようやく自分なりの心地いい過ごし方ができてきました。


この「1週間」というのは、私が仕事でよく使う単位です。映像翻訳の仕事のサイクルは短くて、私の場合は1週間単位で動くことが多い。50分ドラマなら1週間、長尺(映画)なら2週間、という感じ。これは必ずこの納期で仕事が来るわけではなくて、私が仕事を受ける時に目安にしている単位です。1週間の中で仕事に集中できる日も外出する日もあって、帳尻を合わせやすい単位。仕事と遊びのバランスを取りやすいんです。

30分のドラマを1週間に2本とか2週間に3本、みたいなペースだと、私はバランスを取りにくくて、仕事と遊びのペース配分がどうもうまくいかない。なので、短いものも1週間ペースで調整するようにしています。


こういう自分の時間軸というか、動きやすい単位を分かっていると、ワークライフバランスも実現しやすい気がします。とはいえ、家族や環境やいろんな状況で思うようにいかないことはある。私も息子たちが成長して、ようやく自分のペースで動けるようになってきました。目の前のことに追われて精一杯の時期があったからこそ、今の時間の尊さをひしひしと感じます♡

状況は日々変わるものだから、翻訳も遊びも思いっきりできる今に感謝して、1週間を過ごしたい。そんな気持ちで、今日もデスクに手帳の週間ページを開いて、せっせと帳尻を合わせております。

写真は今朝の朝ラン。走るのに最高の季節がやってきました♪


第32回JTF翻訳祭2023に登壇します! 

「エンタメ翻訳者座談会~エンタメの魅力を語りつくそう」をテーマに、ゲーム翻訳者の鶴見六百さん、出版翻訳者の倉田真木さんとお話します。モデレーターは出版とゲーム翻訳の両方でご活躍の武藤陽生さん。オンラインで打ち合わせましたが、面白くなりそう。朝早いのが(かなり)不安ですが、楽しみです♪

夏が終わりました。まだまだ暑いですが、ふと秋を感じるようになり、ホッとしています。

映像翻訳者の会 Wakkaを立ち上げて初めての夏。JACI(日本会議通訳者協会)との合同イベント、納涼会を初のリアルイベントとして開催したり、JACI主催のJIF(日本通訳フォーラム)2023でセッションを受け持ったり、語りたいことも感謝したいことも数え切れないほどあるのですが・・・。まずは公開が迫っているこちらを宣伝させてください!

9月15日公開のフランス映画『ダンサー イン Paris』。字幕を担当させていただいたのですが、もう、めちゃくちゃ好きなタイプの作品なんです!

監督がセドリック・クラピッシュ(『スパニッシュ・アパートメント』『PARIS パリ』)というだけで「訳したい!」と飛びつきましたが、主演がパリ・オペラ座の現役ダンサー(プルミエール・ダンス―ズ)のマリオン・バルボー! 彼女がすごくいい! バレエだけでなくコンテンポラリーも得意とするだけあって、どの踊りもすばらしい。1つ1つの動きがしなやかで美しく、迫力がある。バレエで挫折し、父親との関係に悩む若きダンサーを自然体で演じています。

実はこの父親を演じるのは、字幕担当作『12か月の未来図』のドゥニ・ポダリデス。それもひそかに嬉しい。

コンテンポラリーの振付家ホフェッシュ・シェクターとダンサーのメディ・バキが本人役で出ていますが、もうね、メディのブレイキン(ブレイクダンス)がかっこよすぎ♡ 他にも現役ダンサーが多数出演していて、ダンスシーンはどれも圧巻です! 監督自身が長年のダンスファンで、オペラ座を舞台にした作品も撮っているというのも納得。ダンサーの気持ちもファンの気持ちも、よく分かっています。

何を隠そう(隠してないけど)、私は大のバレエ好き、ダンス好きなので、訳している間は至福の時間でした。PCに向かってずっとニマニマ♡ 普通ならセリフのないダンスシーンは早送りしちゃうのに、何度も何度も巻き戻し。セリフを考えるのが楽しすぎました。

そんなわけで、かなり個人的な思い入れが強いのですが、すべての人にお薦めしたい作品です! 観たあとに「人生っていいな」と思えて、踊り出したくなるような作品。きっと夏の疲れも吹き飛ばしてくれるはず。

そうそう、大好きなバレエダンサー上野水香さんが、インスタで映画を紹介してくれて、ちょっとだけやりとりしちゃいました。(上野さんのトーク付き試写会は抽選に外れましたが・・・。)

そんな幸せなご褒美までついてきた本作。ぜひスクリーンで観ていただけたら、こっそり小躍りします!

こちらの記事も詳しくてよいです♪

8月ですね。

お盆やら子供の夏休みやらイベントやらで、生活のリズムが崩れがちなこの時期。私も気持ちが焦ってしまいがちなので、今月はあえてインスタに毎日投稿しています! ルーティンがあると一日の流れができる…ということに最近気づいたので、今月の投稿チャレンジもいい感じ♪


で、こちらはインスタに書こうと思ったのですが、せっかくなのでブログネタにしました。

6月にご近所シネマで観た『イニシェリン島の精霊』。「名作!」と絶賛する友人も多いのですが、私は残念ながら入り込めず…。

人生の終わりが見えてきた時に、小さなコミュニティの中で何かを変えたいと願う気持ちは分かるけれど、いや、ちょっと、その方法はどうなの? シンママ(という言い方を最近知りました!)で、息子2人を育てている身としては、いい歳した男性同士のしょーもない意地の張り合い、周りの巻き込み方にまったく共感できませんでした。

同じマーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』は、フランシス・マクドーマンドに共感しまくって大好きなのですが! (子供のかたきは私が討つ! 許さん! ファイヤー!!!)

今回の唯一の救いは風景と、男性2人のうちの1人の妹シボーンでした。


というわけで、本作を取り上げたのはディスるためではなく(本作が好きな方、ホントごめんなさい!)、字幕が大好きな牧野琴子さんだから♡ 

『ラスト・ナイト・イン・ソーホー』でも取り上げましたが、牧野さんの字幕ってものすごく自然なんです。この人ならこう話すだろうなという言葉になってる。字数制限の壁を感じさせない、日本語のセリフとして自然な字幕。「吹替か?」というくらい。惚れぼれします。

今回も惚れぼれしすぎてメモを取れなかったのですが、ツボだったのがこちら。

賢く負けん気の強いシボーンと、雑貨店(だったかな?)のウワサ好きなおかみさんのやり取り。情報を得ようとするおかみさんに、シボーンは警戒して何も言いません。

そこで、おかみさんが発するセリフ。


You never tell me anything!!

愛想のない子だよ


「愛想のない子だね」だったかも。とにかく、「うま!!!」と心で叫びました。うんうん、確かにそう! ピッタリ!

先に字幕を見ると「ふ~ん」かもしれませんが、この原文からこの字幕。このセンス。好きすぎます。

他にも素晴らしい訳の宝庫なので、ぜひ字幕の勉強にご覧ください!


作品もね、私が合わなかっただけで、アカデミー賞にノミネートされるほどなので、グッと来る人には来るはず。

IMDBではドラマと共にコメディのカテゴリーにも入ってるのが面白い。ブラックコメディ。なるほど、納得。…と、ちょっとブラックな感想でした。

字幕を担当した映画『サントメール ある被告』の上映が始まりました!

無名の監督ながら、2022年最高のフランス映画と称賛され、ヴェネチア映画祭で銀獅子賞と新人監督賞を受賞。実際に起きた母親による幼児殺害を基に、その裁判記録をそのままセリフに使用するという手法を取った話題作です。

公開を記念してアリス・ディオップ監督が来日し、トークショーが行われたのですが、配給会社のご好意で最終日にうかがうことができました。うれしい!

正直なところ、話題作とはいえ無名の監督だし、有名な俳優も出ていないし、気軽に観られる作品ではないし、そんなに人は集まらないと思っていたんです。それが、広い客席はほぼ埋まり、上映後の監督トークでは次々と質問が出て、大盛況! すごい! 甘く見ていてごめんなさい!

しかも皆さん、すごく深く観てくださっていて、感激しました。


だってね、フランスの法廷劇なのでね、翻訳するのにかな~り苦労したんです。特に法廷の場面では大事なことしか言わないのに、字数制限の壁が立ちはだかる! しかも敬語メイン! フルネームも入れなきゃ! 町の名前が長い! 字数ががが! ・・・という状況でした(笑

フランスの司法制度も独特なので、用語を調べるのが大変でした。最終的に日仏の弁護士資格を持つ金塚彩乃さんに監修をしていただけて、本当に助かりました。ありがとうございます!(それでも、監修に見せられるように訳すまでが・・・泣)

金塚さんはパンフレットに、フランスの裁判制度についてコラムを書いています。私の歌詞訳も掲載していただいたので、お買い求めいただけたらうれしいです♪


そんなこんなで苦労した分、思い入れもあり。しかもとってもいい作品なので、あちこちのメディアで取り上げていただき、劇場に観客が集まるのを見ると、わが子が認められたような気分。

今回は友人4人が時間を作って一緒に鑑賞してくれました。観客の方々の感想も聞けて、反応をダイレクトに感じられて、訳してよかったとしみじみ。

やっぱり映画は観てもらってナンボ。こうして劇場に足を運んでくれる人がいて、感想を聞けるのは、このうえない幸せ。それが「よく分からなかった」でも、「好みじゃない」でもいいんです。(翻訳のせい?と不安になることはありますが。)

映画は観る人のもの。それぞれの思いを共有できる映画館って、最高!


さらに感激したのが、監督の通訳をしたフランス語通訳の第一人者、人見有羽子さんの仕事ぶり。前からフランス映画祭などでお目にかかるたび、すごい・・・と尊敬していましたが、今回はその本領発揮! 人見さんでなければ無理と思うような内容で、本当に素晴らしかったです。

いつか一緒に飲みながらお話したい♡(書くと叶うの法則を期待!)

配給会社の社長に久しぶりに会えたのも、ひそかな喜びでした。(たまにネタにさせていただいている元パパ友です。)


最後にディオップ監督の言葉をシェア。

「見えないものを可視化するのが芸術や映画、自分の役割」

そこに末端でも携われることに感謝を込めて♡

気づけば6月! 5月は私の誕生日もあり大好きな月で、浮かれているうちに過ぎてしまいました。早い~!

おかげさまで、映像翻訳者の会 Wakkaもグランドオープンから2か月が過ぎ、ようやく運営チームでささやかなお祝い会をしました。いや~オレたち頑張った!偉い!と、この日ばかりは自画自賛。これも根気強く温かく見守り、応援してくれる皆さまのおかげです。ありがとうございます!


さて、6月しょっぱなの仕事はセンセイでした。文芸翻訳家、越前敏弥さんの大学の授業で、映像翻訳について講義をしたのです。この授業には2年前から年1回呼んでいただいていて、1年目はオンライン、2年目はハイブリッド、3年目は対面がメイン(オンラインが2名)。今年は25名ほどの大学生を前に、お話しました。

さらに同業仲間の松本陽子さん永井歌子さんも来てくれて心強かった! 学生さんの鋭い質問にも答えてくれて、より幅広い視点で映像翻訳の仕事を伝えられました。ようさん、歌ちゃん、ありがとう!

何よりもうれしかったのは、講義後にわざわざ声をかけてくれた学生さんがいたこと。宇宙開発ライターもやっているとのことで、Twitterとインスタを教えてもらいました。これからお世話になることもあるかも♪


越前さんと言えば、ダン・ブラウンのシリーズ(『ダ-ヴィンチ・コード』など)や『ロンドン・アイの謎』(次男もはまってた!)など人気ミステリー小説の翻訳を手がけ、『日本人なら必ず誤訳する英文』をはじめ数々の著作を出し、さらに海外小説を広めるためにイベントを主催し、読書会のために全国を飛び回るマルチなお方。大御所とは思えないフットワークの軽さとチャーミングなお人柄にファンも多いのです。


そんな越前さんと知り合ったのは、かれこれ15年近く前のと。まだ越前さんが「翻訳百景」のイベントを定期的に開催されていた頃です。当時の私は翻訳者の知り合いが少なくて、Twitterが同業者と繋がる唯一の場でした。そこで「翻訳百景」を知り、他の翻訳者を誘って(その頃は1人で行く勇気がなかった・・・)何度か参加。越前さんにサインをしてもらい、名刺を渡し、話しかけて・・・を繰り返すうちに覚えていただきました。その後、「翻訳百景」でトリローグ(知ってる?)のメンバーで呼んでいただき、映像翻訳の話をしたこともあります。

越前さんの文芸翻訳講座を受講したこともありますが、課題をろくにできずアッサリ敗退。「翻訳百景」の定期イベントが無くなり、お会いする機会も減り、年賀状などで繋がる程度でした。

それなのに大学の講義に声をかけていただけたのは、コロナ禍にオンラインで行われた日本通訳翻訳フォーラム2020JACI主催)がきっかけです。越前さんが大トリのセッションを担当、私は字幕翻訳について初めてオンラインで話しました。正直なところ、反省だらけの内容でしたが、越前さんに「オンラインで話せる人」と認識されたらしく、今回の講義に繋がったのです。


本当にね、何でもやってみるものだと思います。ダメだったら、やめればいい。特にフリーランスは自分から動くこと、存在を示すことが大事。「ここにいるよ!」と声を上げないと、なかなか見つけてもらえません。

私が実名でブログを書くようになったのは1年前ですが、新人の頃から早々に名刺を作り、人に会えば配っていました。それが仕事に繋がった経験が何度もあります。発信の重要性を実感してきたから、講義後に学生さんが声をかけてくれたのが余計にうれしかったのです。

翻訳会社や制作会社に問い合わせたり、イベントに参加するのが難しくても、今はSNSなど繋がる手段が増えています。Wakkaにも掲示板や公開プロフなど発信する場があります。最初は恥ずかしくても、やっていれば慣れるもの。少しずつでも「自分はこういう人」と知らせていくと、意外な仕事に繋がるかもしれません。

自分に合う発信方法が見つかると、フリーランス生活もずっと楽しくなる気がします♪


写真はバースデーウィークに海岸で見た逗子花火。さいっこうでした!

映像翻訳者の会 Wakkaオープンから1か月が経ちました! なんと会員は150人を超えました! (パチパチパチ)

あっという間の1か月。想定内のことも想定外のこともあり、最初の2週間はバタバタでしたが、何とか4月を無事に終えて、運営チーム一同ホッと胸をなで下ろしています。

これも会員の皆さんが温かく見守ってくれているおかげです。会員以外の方からも応援していただけて、本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございます!


Wakkaでは「できること」「できないこと」を明確にしています。映像翻訳者が気持ちよく仕事ができるようにしたいという想いはありますが、個人の翻訳者の集まりなので、できることにかぎりがあるからです。個人の負担になって会を続けられなくなる事態は、絶対に避けたい! その中で、映像翻訳者のために何ができるかを模索しています。


「できること」「できないこと」を明確にすることは、私自身も意識するようになりました。

私は名前出し、顔出しでSNSの発信をしているので、何でも気軽にやっているように思われがちです。もちろん、そんなわけはなくて、1つ1つ「よし!」と気合いを入れて挑んでいます。一度やると少し慣れるので、その積み重ねでできることが増えてきました。

でも、やっぱり苦手なことはあって(というか、ありすぎて)、皆さんが「え?」と思うようなことができません。いまだにエクセルをまともに使えないし(やっと罫線の位置をずらせるようになった!)、忘れっぽくてスケジュール管理がヘタ。(だから、思いついたら手帳にすぐに記入!手帳はデスクに開きっぱなし!)

先日はWakkaのインスタの画像を作れなくて困っていたら、運営チームのあゆさんが作ってくれました!ありがたい…。日々人に助けられて生きていることを実感しています。


苦手を克服していくのも大事なことですが、それは時間と気持ちの余裕がある時に取り組むほうが効率もいいと、割り切るようになりました。誰でも苦手なことはあるので(人間だもの)、苦手を公言して人を頼る方式に、最近はシフトしています。時間にはかぎりがあるし、やりたいこと、やるべきことの優先順位をつけたほうが、人生はずっとラクです。


こんな風にシフトできたのも、Wakka運営チームの風通しの良さのおかげ。

それぞれができること、得意なことを中心にやり、お互いをサポートし合っているので、ここまで来られたのだと実感しています。(それにしても、メンバーの能力の高さには、驚かされ続けています。)

ずっとフリーランスで仕事をしてきましたが、20年目にしてチームで動く面白さに目覚めました!


Wakkaの運営にもう少し慣れてきたら、お手伝いなど会員の方々をもっと巻き込んでいきたいです。その時は、どうぞよろしくお願いいたします♪


写真は見ると幸せを呼ぶというドクター・イエロー! 初めて見ました。皆さんにも幸せのおすそ分け♡

すっかり月一ブログになってしまいました(汗)

おかげさまで「映像翻訳者の会 Wakka」が無事にグランドオープンを果たし、会員数もあっという間に100人を超えました! ありがとうございます! Wakkaについては改めて書くことにして、今回は久しぶりに「この字幕が好き!」シリーズです。

周りの映画好きに、やたらとお薦めされていた『フェイブルマンズ』。何とか駆け込みで観てきました。

いや~よかった…。心の底からじわじわと温かいものがあふれ出て、幸せに包まれて、しばらく席を立てませんでした。

スティーヴン・スピルバーグの自伝的な物語なので、決して幸せな話だけではないし、芸術にとりつかれてしまった人たちの葛藤や、そうでない人たちの戸惑い、双方の間の埋められないギャップ、衝突、憧れの世界に足を踏み入れる喜び…。そういったものが、すべて描かれていて、天才と重ねるのはおこがましいけれど、自分ごととしてリアルに感じられました。思い出しても泣ける・・・。スピルバーグ、恐るべし。この映画を撮ってくれて、ありがとう!

で、あまりに入り込んで観てしまったので、字幕も原音もちゃんとメモしておらず…。だけど、どうしても伝えたいので書きます! 絶対にまた観るので、確認したら書き直します! (原文はネットに公開されているスクリプトで確認をしました。)

字幕はザ・字幕翻訳家! 我らが戸田奈津子さんです。


まずは冒頭、少年サミーが両親と初めて映画館へ行くシーン。怖がるサミーにママが言います。

You just wait and see, when it’s over, you’re gonna have the biggest sloppiest smile on your face.

観終わったら

笑顔がこぼれっぱなしよ


前半うろ覚えですが(ごめんなさい!)、「笑顔がこぼれっぱなし」に、うわ~好き~と心で叫んでしまいました。the biggest sloppiest smileって日本語にしにくい表現ですが、「笑顔がこぼれっぱなし」! いかにもサミーのママが言いそうだし、こっちの顔がほころんじゃう日本語です。


Everybody makes movies in California!

向こうは映画の都だ


こちらは戸田さんらしいと感じた字幕。直訳すれば「カリフォルニアでは誰もが映画を撮る」ですが、これだけの情報量を9文字に凝縮。それでいて自然な、いかにも言いそうな日本語。この思い切りの良さとセンス。さすがです。

戸田さんの字幕にはドラマがあるというか、話者の人間味を感じられるところがあって、そこがすごく好き。私は戸田さんの字幕で育った世代なので、余計に思い入れがあるのかもしれません。その戸田さんの字幕でスピルバーグの自伝的映画を観られる幸せ♡ 『E.T.』『グーニーズ』の頃からスピルバーグ作品を訳してきた戸田さんだからこそ、作れた字幕があるのではないかと勝手に推測しています。(戸田さん、戸田さん、うるさくてすみません!)


最後に、心に刺さったセリフ。

You do what your heart says you have to.

ありのままの自分を生きて


Because you don’t owe anyone your life.

誰にも負い目は要らない


確か字幕はこうだったかと…。(早く見直したい!)

「ありのままの自分を生きる」というのは耳馴染みのいい言葉だけれど、すごく難しいこと。だけど人生は思っているより短い。あとで後悔するくらいなら、なるべく早く思い切って「ありのままの自分」を生きたほうがいいと思うのです。

『フェイブルマンズ』、これから上映するところもあるようなので、ぜひ機会を見つけて観てください。語り合いたいです!

映像翻訳者の会 Wakkaのプレオープンが目前に迫り、運営チーム一同ワクワクドキドキしています。去年のスケジュール帳を見直したら、最初に話が出たのが9月。それから半年かけて準備を進めてきました。今はただ、無事にサイトがオープンすることを祈るばかりです!

もう本当に紆余曲折ありました。私は思いついたらノリと勢いで突き進むタイプですが(だからこそ実名でサイト作ったり、憧れの先輩にインタビューを申し込んだりできるんだけど)、Wakkaは仲間がいなかったら途中で投げ出していたと思います。だってやることが多いんだもん…(コラ!)

「映像翻訳者がつながれて、ホッとできる場を作る」というフワッとしたイメージを、会員制サイトという具体的な形にするまで、メンバーで散々やり取りをしました。

思いつきでアイデアを投げる私、アイデアを形にするために必要なことを明確にして、サイトまで作ってしまう万能すーさん、突っ走りがちなすーさんと私を冷静に制して客観的な意見をくれるラスボスちーさん、全体を見て気づいたことを率先して行い、足りないことを補いつつ楽しみも生んでくれる熱血あゆさん(カウントダウンもあゆさんのアイデア♡)、そして規約を作る上でなくてはならない存在の助っ人ようさん。もうね、誰がいなくても実現しませんでした。特にサイト作成では最強コンビすーさん&あゆさんのパワーと実力が炸裂!!! ついていくのが、やっとでした!

そんなこんなで、ようやく形になったWakkaです。ほかにも協力していただいたり、応援していただいた方々が大勢いて、その話もしたいのですが、それはまた別の機会に。

今回お伝えしたいのは、1人じゃできないことって、たくさんあるということ。というか、何1つできない。フリーランスを長くやっていると1人で頑張ってきた感がありますが、そんなことないんですよね。どの仕事も多かれ少なかれ誰かの助けがあったからできたこと。そんな当たり前のことを改めて実感できたことも、Wakka立ち上げのおかげです。

Wakkaができることは限られているけれど、一人でも多くの映像翻訳者が「ひとりじゃない」と感じられる場になれば本望です。

映像翻訳者の会 Wakkaを、どうぞよろしくお願いいたします!

★プレオープン期間(3月20~31日)は登録なしでサイトをご覧いただけます。この機会にぜひのぞいてみてください。プレオープンは3月20日午前7時です!

映像翻訳者の会 Wakka

松竹ブロードウェイシネマシリーズ『ビリー・ホリデイ物語 Lady Day at EMERSONS’S BAR & GRILL』が、いよいよ来月(3月10日)公開です!

それに合わせて、東京の代々木駅にある商業施設・代々木ブロードウェイとコラボレーションが実現! カフェ「ブロードウェイダイナー」の店内モニターで予告編が流され、3月12日にはジャズシンガー岡部真由美さんによるジャズイベントが開催されるそうです。すごい! 併設のギャラリー「GALLERY10[TOH]」では映画のパネル展もあるとか。代々木ブロードウェイは2022年にできたばかりで、私も知らなかったので、ぜひ期間中に行こうと思います♪

松竹さんは同シリーズのHPを作り、ブログで作品の情報をマメに流してくれるんです。ブログを読んでいると映画を観たくなるし、作品愛が伝わってきてうれしい! 何よりも、東銀座の東劇にドーンと看板を掲げてくれるのが最高! もちろん写真を撮りに行って、チラシもたくさんいただいてきました。(警備員のおじちゃんに怪しい目で見られたけれど・・・。)

たまに行くロックバーに置いてもらう予定。友人知人にも配ります!

私は翻訳を担当した作品の宣伝までが仕事だと思っています。これはもう、私個人の勝手なスタンス。いい作品はできるだけ多くの人に見てもらいたいし、知ってほしい。もちろん、あまり宣伝したくない作品もありますが、それも好きそうな人にはこっそり宣伝(笑)

作品の情報が解禁になったタイミングで、お知らせをしています。と言っても、私の宣伝なんて微力の微力。劇場にチラシをもらいに行って、友人知人に配って、知り合いのお店に置いてもらえそうならお願いして。あとはSNS。それで呼べるお客さんは、多くて50人くらい?(テキトーです!)友達を誘ってくれたら100人? そう考えると、微力も侮れない。

たまに「作品の翻訳を担当したことを口外してはならぬ」という仕事があると、もったいないと思うんです。だって、1人でも多くの人に見てもらってこその作品だもの。私は知ってる人が訳した作品を優先して見るし、そういう人は少なくないはず。

あとね、翻訳者のクレジットは必ずチェックしてます。製作会社の方からも、作品のクレジットを見て仕事を依頼するという話を聞きます。だからクレジットは必ず出してほしい! たまに出ていないと、自分のじゃなくてもガッカリします。

翻訳者1人の力なんて微力。だけど、誰よりも作品と向き合って、最良の訳を探して悩む翻訳者の力を、もう少し尊重してほしい。そんなふうに感じることもあります。

微力も力。「口外禁止」じゃないかぎり、今日もせっせと宣伝します!


というわけで・・・

『ビリー・ホリデイ物語』3月10日公開

『The Son / 息子』3月17日公開

『レッド・ロケット』4月21日公開

どうぞよろしくお願いいたします!

・・・というわけで、タイから戻りました。

コロナ後初の海外旅行。楽しかった~! 象にまで遊んでもらって最高でした! インスタのストーリーズを見ていた方には、私の浮かれっぷりがバレてると思います。

何しろタイを訪れるのは30年ぶり。学生時代にお金を貯めてはバックパックを背負ってタイに行き、そこを拠点にネパールやインドにも足を延ばしました。インドは刺激的だったけれど、タイに戻るとホッとして、ホームに戻った感じ。中でも北部のチェンマイは山に囲まれて自然が豊か。のんびりできて居心地がよく、大好きでした。

1年前に大学時代の友人がチェンマイに移住した時から、行く機会を狙っていたんです。さすがにバックパックでなくスーツケース、安宿でなくホテルやコンドミニアムに泊まりましたが、気分はバックパッカー。あちこち歩き回りました。PCを持っていったものの、メール返信くらいしかできず。PCいらんやん。

バンコクは電車が走り、ビルが立ち並ぶ大都会になり、チェンマイにもショッピングモールができてオシャレな店が増えたけれど、根っこの部分は相変わらず大好きなタイ。いろんなことを思い出し、怖いもの知らずだった30年前の自分に出会えたような気がしました。これからの30年が楽しみになるような、そんな旅。このタイミングで行けて本当によかった!

で、私が遊びほうけてる間に、映像翻訳者の会Wakkaは4月スタートに向けて着々と準備が進んでいます。というか、すごい勢い! サイトを分かりやすく使いやすくするために何度も修正して(すーさん、神!)、某字幕ソフトの裏技を説明するために画像を作り、波形をフリーハンドで描き(あゆさん、すごすぎ!)、冷静な目でチェックして(ちーさん、惚れる♡)、どんどん完成度が高まっています。え?  私?  昭和の保険のおばちゃん張りに体当たり営業します!

アンケートにご協力をいただいた方々にも、この場を借りて感謝を申し上げます。1つ1つ丁寧に答えていただき、ありがとうございました。コメントもたくさん書いていただき、ご自身の経験を他の方の役に立ててほしいという気持ちが伝わってきます。本当にね、読んでいると胸アツです♡これをどうやってまとめよう・・・と若干焦っておりますが、が、がんばります。

今後もいろんなアンケートを定期的にやる予定なので、その際にはご協力いただけると嬉しいです!

しっかりフル充電したので、ここから夏まで飛ばしま~す! Wakkaプレオープンまで1か月♪(その前にカクテイシンコク・・・)

【お知らせ】旺文社の英語学習アプリ「英語の友」のメディアにてコラム連載がスタート! 「映画で学ぶ英語表現」です。読んでいただけたら嬉しいです♪

気づいたら松の内が明けてしまいました。

先日、久しぶりにバレエを観てきましたが、それはそれは美しくて眼福でした♡

身体だけで表現できるって、本当にすばらしい! 言葉は要らないなと、プロのダンスを見るたびに実感します。言葉に執着しなくなるというか、ホッとするというか。鍛錬された身体が表現する世界は、永遠に私の憧れです。


思えば、私はいつも憧れが原動力になってきました。英語やフランス語に興味を持ったのは、本の中の世界への憧れからだし、翻訳を選んだのは新聞や雑誌で目にする翻訳家がカッコよかったのも理由の1つ。(もちろん、そんな翻訳家のキラキラした姿は一面にすぎず、地道な努力と忍耐と肩こりの上に成り立っていると思い知るのだけど。)


映像翻訳の世界に入ってからも、あんな字幕を書けるようになりたい、あんな映画を訳したいと、憧れる対象があったからこそ、ここまで頑張ってこられたと自負しています。ここ数年は憧れの翻訳者にお話をうかがう機会に恵まれ、ますます目指すイメージが膨らんでいます。ロールモデルになる方々がいるのは本当にありがたい♡


私が人前で話したり、本格的にインタビュー記事を書くようになったのは、コロナ禍がきっかけでした。当時、Bad Cats Weeklyに寄稿したエッセイを読み返すと、仕事のモチベーションが上がらず悩む自分がいました。そう、悩んでいたんだな、私。


あの時に引き受けたオンラインイベントのおかげで、「オンラインで話せる翻訳者」というザックリした枠に入り、その後も声をかけていただくようになりました。周りに背中を押されて自分のHPを作り、ブログを始め、憧れの翻訳者にインタビューを申し込んで…。ドキドキヒヤヒヤしながらも、やりたい気持ちを信じて挑戦してきたから今がある。そう実感できるのが強みになっています。


今年はもっと周りを巻き込んで、楽しいことをやっていきたい!

その1つが映像翻訳者の会Wakka(わっか)です。「映像翻訳者をつないで、仕事を続けていくために必要な情報を共有し、ホッとできる場にしたい」という思いで集まった仲間と、4月スタートに向けて準備が進んでいます。すでにアンケートなどでご協力をいただいてる方々に、この場を借りて感謝を伝えさせてください。ありがとうございます!

確定した情報から公式Twitter(@wakka_eizou)などSNSで少しずつ発信していきますので、よろしくお願いいたします♪


そのためにも、字幕翻訳の仕事をしっかりと地に足をつけてやらねば、と肝に銘じております。本業でコケたら元も子もないので(マジで怖すぎる)。

大御所の方々に話をうかがってきて感じるのは、作品への向き合い方の深さ。もちろん、仕事の条件などの違いはありますが、それを言い訳にせずに向き合いたい。それを繰り返して仕事の質を上げれば、憧れの翻訳者に近づけると信じています。


今年最初のブログで力が入ってしまいました。

2023年も憧れを原動力に突き進みます! ウサギのように軽やかに跳ぶイメージで、時には休みつつ。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


ただいまWakkaの運営チームでは、「わっか」のイントネーションが「河童」か「トッポ」かで話題になっております。皆さまはどちら派?